まだ本人が元気な60代のうちから身辺を片付けていくことを「生前整理」と言いますが、生前整理の目的は、相続トラブル回避が大きなウエイトを占めていると言えます。
似た言葉で「老前整理」という言葉がありますが、これは本格的に老いる前に、今現在持っているものをしっかりと整理すること指しているのです。
この記事では、老前整理をしていく理由とその始め方を解説していきます。
老前整理はだれのため?
「老前整理」とは60代、70代といった本格的な老いを迎える前に、自身の環境や家計などの見直しをすることです。
老前整理をしていくことによって、この先の人生に必要なものと必要でないものを分けて、優先順位をつけていくのです。
日ごろは何気なく日常生活を過ごしていますが、自分の周りは驚くほど多くの「もの」で溢れています。
老前整理は、これまでの人生を彩ってきた思い出を含んだ「もの」たちをしかりと整理していく作業をさしているのです。
自分は一体どれくらいたくさんの「もの」に囲まれどのような環境で生活してきたのかを改めて認識することで、自分の人生を振り返っていきます。
この老前整理をすることで得られる一番のメリットは、これから残りの人生をどのように生活をしていきたいのか?
自分の残りの人生で何を優先すべきなのかの順位がはっきりすることでしょう。
ところでこの手間のかかる作業に適した時期は、あるのでしょうか?老前整理の始め方を決めるポイントは何だと思いますか?
実のところ老前整理の始め方に、特に決まりがあるわけではありません。
しかしながら「今度ヒマができたら」「次の休みになったら」と思いながらと時間を過ごしていると2年、3年どころか5年、10年と時間がたってしまいます。
そうしたことを考慮して老前整理を始める時期を決めるのであれば、働きざかりの40代で元気なうちが最もお勧めと言えるのかもしれませんね。
何が必要で何が必要じゃないかを決めていく!
老前整理を始める前に心に命じておかなければならない大切なルールが存在します。
それは「ものを捨てる」ということに対しての抵抗感や罪悪感を持たないことです。
ものをため込んで捨てないイコールものを大切にしているというわけではありません。
溜め込んだものを勿体無いと思うなら、持っているものをこれからどんどん使っていくことを心がけましょう。
やることはシンプルで、家中にあるものを「使うもの」と「使わないもの」に分別していきます。
しかしこの作業が、非常に時間と手間がかかることを覚悟しておきましょう。
当然必要がないと思ったものを全て捨てるわけではなく、判断基準としては「現在も今後も使用するか否か」です。
「自分に」必要がないと思ったら、他の誰かに使って貰うために友人に譲ったり買取業者に引き取ってもらったりすることもお勧めでしょう。
「使わないもの」の中には高値で買取ってもらえるものがあるもしれません。気軽に査定を依頼して、買取り可能であれば売ることを検討してみましょう。
判断は冷静かつスピーディに!
老前整理の始め方は簡単で、とにかく止まらずにものを次々と仕分けていくことが大切です。
しかしこの段階で問題になるのが、現在使用していないけれど「いつか使用するかもしれないもの」に関してでしょう。
これの解決策は、「保留ボックス」を作っていったん判断を保留することですが、保留ボックスが溢れてしまう前に忘れてはいけないことがあります。
それは、「いつか(○ヵ月後)に使用する予定」と「いつかそのうちに使う(かもしれない)」は同じではないということです。
いつ来るのか分からない日のためにものを取っておかずに「使わないもの」と決断する気持ちが重要になってきます。
具体性のない「いつか」は、「いつかその日が来るかもしれないし、来ないかもしれない」と同じであることを納得して、どうしても迷うのならば、プロの目で判断してもらうことも考えてみてはいかがでしょうか?
買取り価格が適正なのかについて不安があれば、インターネットの口コミや知人の意見などを参考にしながら買取業者に見積もりをお願いしてみましょう。
まとめ
老前整理を始めるのに適しているのが40代です。
溜まったものが必要かそうではないかを決めることに関しては、作業を始める前に想像しているよりも精神的なプレッシャーが大きいでしょう。
だからこそ、気力が充実して働きざかりな40代の決断力が必要になってくると言えるのです。
これから老いていくにあたって何を重要視するべきかといった人生の大事を決めていくために、業者を上手く利用しながら40代での老前整理を始めましょう。
ある晴れた日曜日に、気軽な気持ちでスタートしてみてはいかがでしょうか?