着物は洋服に比べると袖を通す機会が少なく、気がつくとタンスの肥やしになってしまいがちです。
もし、今後着用する可能性が低いものであれば売却するのもひとつの手ですが、安くない値段で購入したものだけに、少しでも高値で売りたいところです。
そこで、着物とそれに付随する和装小物について、それらを高く買い取ってもらうポイントについて解説をしていきます。
着物を売る2つの方法とそれぞれのメリット・デメリット
着物を売却する主な方法としては、ネットオークションや着物買取店の利用があります。
まず、ネットオークションは思わぬ高値が付く可能性があるのが最大のメリットです。
店舗で買取をしてもらうと市場相場からかけ離れた高値は期待できません。
しかし、ネットオークションは最低落札価格を自分で設定できますし、どうしてもほしいと思う人が現れれば、その何倍もの値段で売れる可能性があります。
それに、中間マージンを引かれないため、相場通りの落札価格だったとしても大きな利益になります。
手数料は必要ですが、中間マージンと比べると微々たるものです。
ただ、出品の際には写真を掲載したり、説明文を記載したりと結構手間がかかります。
それに、古着という性質上、落札者からシワやシミがあったなどの理由でクレームがくる可能性があるのが難点です。
したがって、この方法は着物に詳しい人以外はあまりおすすめできません。
一方、着物買取店の場合はプロが直接実物を見て査定を行うため、買取ったあとで問題が発生することはまずないでしょう。
しかも、オークションと違って複数の着物を短期間で売却することが可能です。
その代り、買取価格が想定外の高値になるといったケースはほとんどありませんが、その辺は致し方ないところでしょう。
それ以外では、リサイクルショップや古着屋に売るという選択肢もあります。
しかし、これらの店舗は専門的なノウハウや販売ルートを持っていないため、買取自体をしていないか、買取ってくれたといても価格はかなり安くなってしまいます。
着物の買取価格をアップさせるポイント
着物のなかでも、人間国宝の手によるものや伝統工芸の有名紬なら高く買い取ってもらえる可能性が大です。
ただし、その際に重要になるのが、それを証明するために証紙や落款です。
これらがあるとないとでは買取価格に差が出てしまいます。
もし、探しても見つからないときは、購入した呉服店や工房に問い合わせてみましょう。証紙を再発行してくれる場合があります。
次に重要なポイントが保管状態です。たとえば、シワが目立つと買取が安くなる可能性があるため、きちんと畳んで「たとう紙」に入れて保管することが大切です。
また、湿気でカビが生えていたり、防虫剤の強い匂いが残っていたりしても減額対象になります。
そこで、売りに行く前には陰干しをしてカビや防虫剤のにおいを落としておくとよいでしょう。そして、できれば1店舗だけでなく、複数の店舗で査定をしてもらうのがおすすめです。
最初の店では安くても、ほかの店ではもっと高く買い取ってくれる場合がありますし、他店の査定額を提示すればそれに上乗せしてくれるケースもあるからです。
和装小物の買取価格をアップさせるポイント
着物にはそれに付随する帯締、帯留、かんざし、巾着などといった和装小物がつきものです。
同じ着物でも、それらを使い分けることで雰囲気をがらりと変えることができます。
そのため、和装小物には高い需要があり、買取りの際に高値がつく場合もあります。
そこで、より高値で買い取ってもらうポイントとしては、まず収納箱が付いていることが挙げられます。
そのほうが見栄えがよくて保存性のよさもうかがえるからです。
また、同じ和装小物でも種類によって高値が付きやすいものとほとんど値が付かないものがあるので、それを把握しておくことも大切です。
たとえば、帯は着物に次いで値がつきやすいアイデムであり、特に丸帯と袋帯は全体的に買取額が高い傾向にあります。
反物も有名な作家や銘柄は買取り査定が高めになりますし、帯留も象牙が使用されているものは高価買取の対象です。
逆に、腰ひもや長襦袢など、直接肌に触れるものは単品では買取を断られると思っておいたほうがよいでしょう。
さらに、シミや汚れは当然、減額対象となるので使わないものは大切に保管しておいてください。
ポイントを押さえた賢い買取をしよう！
着物や和装小物は専門性の高い商品のため、オークションの利用やリサイクルショップなどでの買取りにはあまり向いていません。
トラブルを避け、できるだけ高値で買い取ってもらうにはやはり、着物買取店を選択するのが無難でしょう。
そして、その際には、ポイントをしっかり押さえ、賢い買取を行ってください。
